耳よりハンター

支援学校の時間割は、「日常生活の指導」で何を学ぶの?

特別支援学校の時間割のページで触れましたが、領域・教科を合わせた指導の一つです。

特別支援学校の教育課程では、生活科、国語、算数、音楽、図画工作、体育の各教科と道徳、特別活動、自立活動の領域があります。

「生活科」で扱う内容は、平成29年4月に特別支援学校の学習指導要領が改定になり、「生活科」の内容が、次のように12の内容に整理されました。

「基本的生活習慣」「安全」「日課・予定」「遊び」「人との関わり」「役割」「手伝い・仕事」「金銭の扱い」「きまり」「社会の仕組みと公共施設」「生命・自然」「ものの仕組みと働き」

これらの内容を扱うにも児童の実態に合わせ3段階に目標及び内容が設定されています。

特別支援学校学習指導要領解説「各教科等編(小学部・中学部)」では、次のように書いてます。

1段階目標: 身の回りの生活において必要な基本的な習慣や技能を身に付けるようにする。

      【用便】 男女の便所を区別する。鍵をかけることなど、一連の流れと共に基本的な方         法や態度を身に付けることが大切である。

2段階目標: 身近な生活において必要な習慣や技能を身に付けるようにする。

      【用便】 男女の便所を区別する。鍵をかけることなど、一連の流れと共に基本的な方法や態度を身に付けることが大切である。

3段階目標: 生活に必要な習慣や技能を身に付けるようにする。

      【用便】 トイレにおけるいろいろな種類の鍵の使用法を知る。援助がなくても自分で 用をたすことができることが大切である。

基本的生活習慣も食事、用便、寝起き、清潔、身の回りの整理、身なりについて、その内容を上げています。先の【用便】については、その一例です。

目標が「身の回りの生活」「身近な生活」「生活」と児童の実態に合わせ設定され、指導内容も違ってきます。12項目について、各段階で扱う内容が示されています。

「手伝い・仕事」でも紹介します。

1段階目標:教師と一緒に印刷物を配るなど身の回りの簡単な手伝いや仕事をする。

      簡単な手伝いや仕事に関心をもつ。

2段階目標:できるだけ自分で、印刷物を配ることや教室へ教材の運搬の手伝いをする。

      簡単な手伝いや仕事について知る。

3段階目標:自分から調理や製作などの様々な手伝いをする。

      手伝いや仕事をするための知識や技術を身に付ける。

これらの内容を生活科として単独の授業を展開するよりも領域や教科にかかわる広範囲の内容を扱うものとして、指導の形態として「日常生活の指導」(領域・教科を合わせた指導)を設定しています。

具体的な指導の展開例として、「日常生活の指導の手引」が文部科学省から発行されています。そこには、「日常生活の指導」の指導計画と指導展開例が示されています。

初めて知的障害者である児童・生徒の指導にかかわる教師には、指導の実際を知るバイブルとなります。

                                      文責:N

2024年2月14日

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