特別支援学校にお子さんを通わせている親御さんから、「身辺自立の確立」が十分でない状況だから、「ことば」「かず」の学習は二の次という担任の先生のコメントに不満をもつ声が聞かれた。
個別の課題学習にもっと取り組ませたいという親の願いへの応援にと書きます。
「より豊かでたくましい生活力をめざして ことば・かずの基礎的能力の育成」という昭和52年2月発行の広島大学付属東雲小学校教育研究会の研究冊子があります。
そこに、子どもたちに願う「豊かさ」「たくまいさ」を、①ことばや行動で自己をのびのびと表現し、主体的に生活や学習をする力、②さまざまな集団やいろいろな人とのかかわりのなかで生活や学習をする力、③持続したり、工夫したりして生活や学習にとりくむ力としています。
特に「ことば」「かず」の重要性をあげ、研究に取り組んだ報告です。
人間の発達にあわせて、「ことば」や「かず」はさまざまな様相を示し、各発達段階を支えている。その中で一貫しているのは生活を合理的に、快適に、豊かにし、ひいてはたくましさを育てていく媒介物として、人間らしさを支える基本的なものであるということです。
「ことば」と「かず」の働きは具体体的に次のとおりです。
①人と人との意志の伝達・交換の手段である。
②科学的にものごとを思考し、理解し、推理、創造する道具である。
③ものごとを判断したり、行動を規制して社会生活に適応する道具である。
④経験を増やし、生活をより豊かにする手段である。
「ことば」「かず」は、自然に獲得されるものでもない。学習によってのみひとりひとりに身についていくものなのである。
研究では、「ことば」「かず」を基礎的能力として、基本的指導事項を確認し、指導内容を、系統的に配列し、指導を展開した経緯がまとめられている。
指導内容を系統的に段階としてまとめた一覧表はとても参考になる。
何をどの順番に指導してゆけばよいのか、教科書が有効的に機能していない特別支援学校の児童生徒の指導には多いに利用したいものです。
ことば(国語)の指導内容の系統と段階
①文字化以前の指導 A音声の分解・合成 B図形の分解・合成
②文字(ひらがな)の読み書きの指導 A一音一文字の読み・書き B一音二文字以上の読む書き
③文の読み・書き以前の指導 A文意識 B単語の読み書き
④文の読み・書きの指導 A基本文 B修飾変形文 C述語変形文 D長い文
⑤表記の指導
⑥聞く 指導
⑦読む 指導
⑧話す 指導
⑨作文の指導
2023年5月24日
〒678-0252
兵庫県赤穂市大津1041番地
TEL:0791-45-2240
[営業時間] 8:00~17:00
[定休日]
土曜日・日曜日・祝日・年末年始(12/29~1/3)・お盆(8/14~8/16)
※生活介護事業は土曜日も行っております。