「発達障害の診断と治療を行っていくにあたっては、本人が今抱えている問題の解決に加え、ライフサイクルを見越した長期的視点で「これからの」成長を促していく支援が望まれる」ことが第58回児童青年精神医学会総会で言及されているそうです。
しかし、長期的視点を持ち子育てすることは、保護者には難しいものです。
姫路市総合福祉通園センター・ルネス花北の「研究誌(第16号)」2019・12に気になる報告があったので紹介します。
平成18年~30年の当センターで発達障害児対象としたをソーシャルスキルトレーニングを受けた保護者へのアンケートから『本人・保護者の「困り感」』をまとめたものです。
本人のライフステージを小学校・中学校・15~18歳・18歳以上の時期に分けて、A学習面 B友達関係(いじめ等) C学校生活(教諭との関係や不登校等) D親子関係 E生活習慣(時間や持ち物の管理等) F問題行動(盗み、ゲームやスマホへの依存等)からの、複数回答です。
小学生の時期の困り感の強いのは、就学という新たな環境の中で本人の適応がスムーズにいかない場合があること、就学前とは違うスキル(学習スキル、対人スキル)が求められ、それによって問題行動が生じ、保護者が他児との差を実感したり、早急な解決が求められるものの一気に解決する手だてあるとは限らないことが要因であろうとしています。
本人の困り感減らすには、就学前の時期から就学後の生活の変化、違いを見通した支援(例えば授業を受けるために必要なスキル、登校の支度がスムーズに進む工夫を考えるような生活に関すること等)や友達とのコミュニケーションにまつわる基本スキルのアプローチが必要だろうと述べています。
中学生の時期は、学習の困り感が一番です。本人にとっては、授業のスピードが速く、抽象的な内容が増え難しくなる上に学習量が増え、宿題に毎日追われるようになります。
生活習慣については小学生期と同様であるが、さらに保護者の管理に応じなくなる。
自分のしたいことがやらなければならないことに優先され、「時間の使い方が下手」と保護者をイライラさせたり、ゲームやスマホの使用ルールを守らなくなり、親子の葛藤となるようです。
年齢が上がることで気の合う仲間と出会える可能性があるも「いじめ」「「からかい」「いやがらせ」が悪質になる場合もあるそうです。
高校生の時期以降では、本人は友達関係が一番です。保+48:48護者の困り感は時間や持ち物の管理が「相変わらず」できないことへの不満や、親が注意しても煙たがるため関わりがたくなることに困っています。
注意や指導する親に対して暴力をふるったり、スマホやゲームへの「依存」によって生活管理が困難になっている場合に、近い将来自立できるのか保護者が不安を覚えている場合を報告しています。
文責:N
2022年10月24日
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